『アイ・フィール・プリティ』感想/★☆☆☆☆(★1つ/美醜コンプレックスを刺激してくる割に雑な映画)

アイフィールプリティ、という映画を観ました。

劇場での公開は、去年だったのかな?割と周りの評判もよかったので、Amazon Primeで観られるようになった途端にダウンロードして観たのですが、正直観なければよかったなぁ、という感じ。。。

 

予告です


ぽっちゃり体形のヒロインがキュート!『アイ・フィール・プリティ!』予告編

 

自分の体形にも見た目にも自信が持てない主人公のレネーが

ある日の事故をきっかけに、自分が絶世の美女になったと勘違いして、仕事も恋愛もポジティブに取り組み始めたら...という話です。

 

冴えない女の子が、美女に変身する話はデンジャラスビューティなり、プラダを着た悪魔なり、ハリウッドでは使い古されている設定ではありますが、今回のアイフィールプリティでは、あくまで、きれいになったのは自分の勘違い、という点は目新しく面白かったと思います。

 

ただ、私がこの映画をどうしても好きになれなかったのが、そもそも自分が絶世の美女と勘違いしただけで何でもポジティブになれちゃうというその設定が、観ていて結構つらいものがありました。美醜差別といえば大げさですが、人の行動に美醜がそこまで影響するとは信じたくない、というかなんというか。

 

そもそも主人公のレネーを好きになれなかったです。自分が美人になった(と勘違いした結果)、もともとの友人への扱いが雑になって、もっとオシャレで美人な友達と遊ぼうとするのですが、それって、これまでレネーの人生を生きづらいものにしていた男達そのものの行動じゃない...?って思いました。また、最後にレネーが「人間は顔じゃない」と気づくきっかけが、そのオシャレな新しい美人の友達が男にフラれたことなのですが、普通にそれ、性格悪すぎない...という感じ。

 

例えばプラダを着た悪魔でも、アン・ハサウェイ演じる主人公のアンドレアが仕事を頑張って垢抜けていく中で、彼氏をないがしろにする、っていうシーンがありました。ただ、あれは新卒で就職して知らない世界を経験して、これまでの世界がつまらなく思える、っていう若い子あるあるというか、仕方ないと思うんですよね。でも、レネーについては傲慢な印象しかない。年も年なのに。

 

映画内ではレネーについて仕事ができる?っていう描き方をしているようなのですが、それにも違和感。仕事に対する愛着とか努力がいまいち見えないし、やっていること大したことなくね?というか(化粧品会社の受付で、来客に水を出すときストローをつける、とか割と当たり前な気がします。)

 

この映画が、自分の見た目がコンプレックスで、頑張っているのに恋愛にも、仕事にも自信ができない、アピールできないという女性を応援するという映画なのならば、もっと恋愛なり、仕事なり、頑張っている部分にフォーカスしないと意味がないよなぁと思いました。